私が「通常買い」にこだわった事の最大の理由は、ただ一つ「回収率」でした。
「勝ち逃げ」は確かに安定性はあるかもしれないが、資金が少なかった私には購入するチャンスがなく、その前に大きな借金を背負ってしまったからです。
でも、当時はそれが間違いだとは気が付かずに、深みにはまってしまったのです。
それでも諦められない私は「ボス」や「シゲ」さんにお願いして、実家に帰ってからも研究員として名簿に残して貰い研究を続けることになったのです。
残念ながら父と家内との約束もあって馬券の購入は諦めましたが、それからの3年間は本当に大変でした。
父が病気で家業は覚えなければいけない事が多く、時間的にも競馬の研究は土日にまとめてするしかなくなって、寝る時間も惜しんでデータ分析をするので、資料の整理が本当に大変になったのです。
しかし、軸の決め方やヒモの絞り方はこの時に覚えたことが、今でも生かされておりますし、その後「ボス」に頂戴したクラス別資料で、初めていろいろなことが分かって愕然としたものです。
下級条件の未勝利戦や500万下は「勝ち抜け戦」であること、古馬の500万下や1000万下は非常に難しいレースが多くなること等が判明し、勝負するレースが準オープン以上のレースなら、
比較的そんなに苦労しなくても通常買いでプラスできることが、資料に書かれているのですから、以前から「ボス」も通常買いを研究していたという事を知りました。
それからは20年近くも私の相手をしてくれ、現在の方法にたどり着いたのです。
その間に父も母も病気で亡くなり、仕事は大変でしたがいつか競馬に復帰できるものと信じて頑張りました。
そんな中、大量の資料を見た家内がG1レースだけは、1万円の範囲で購入することを許してくれ、良く的中するものだから家内も一緒に馬券を買うようになって、土日は二人でテレビ観戦するようになったのです。
それはそれは私にとって青春が戻ってきたようなうれしさがあったのです。
そんな折、学校を卒業した娘が就職もしないで家業を継ぐと言い出した時は、もしかしたらもう一度研究室に戻れるかもと期待したのですが、家内には言い出せなかったのです。⇒続く